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売上ノルマとは違う管理会計(部門別採算制/部門別損益計算)のメリット

管理会計(部門別採算制/部門別損益計算)とは?

管理会計の手法の一つで事業別採算(部門別採算制/部門別損益計算)があります。部門別採算制/部門別損益計算は事業、部署、顧客セグメント別に損益や財務実績を計算します。この、事業、部署、顧客セグメント等、採算管理を行う単位を「部門」或いはSBU(Strategic Business Unit/戦略的事業単位)と呼びます。この採算単位毎に利益を計算した書類を部門別損益計算書と呼ぶこともあります。管理会計と部門別採算については、稿を改め分かりやすく解説していますので、手っ取り早く概要を掴みたい人はそちらをご覧ください。

売上ノルマ制とは?

売上ノルマ制とは、今更説明するまでもないですが、全社の計画売上高を、部署や社員に細分化し、当該部署や社員の売上ノルマとして設定する方法です。売上ノルマを割り当てられた部署や社員は、売上高を稼ぐ責任があるわけです。

売上ノルマ制では売上高だけを部署・社員の責任範疇とするのに対し、管理会計(部門別採算制/部門別損益計算書)では売上だけでなく費用も予算化し、利益を責任範疇とするのが大きな違いです。

管理会計(部門別採算制//部門別損益計算書)のメリット

売上ノルマ制に対し、管理会計(部門別採算制/部門別損益計算書)のメリットを以下に整理しました。

  • 採算管理徹底

    部門別採算制/部門別損益計算では各部門・各SBUの利益が明確になります。売上だけでなく費用の管理もしますので、費用抑制及び利益拡大が期待できます。売上ノルマ制では、営業経費については緩い管理になりがちですが、部門別採算制/部門別損益計算では、そこもしっかり管理し、結果として利益が残りやすくなります。
    費用面を管理するということは即ち製造(開発)・納品や全社業務も管理することになります。製造(開発)・納品・全社業務は、製造原価、サービス原価や物流費、総務部の人件費など、費用として現れてきます。従って、費用を管理することは、受注だけでなく製造(開発)・納品や全社業務を管理することの前提になります。
  • 偏向(過度の値引き)の防止

    利益基準を明確にし、最適の定義を明らかにすることで、増収減益のように偏った判断を防止し、企業としての経営管理力の向上に寄与します。売上を上げるためには単純に商品の値下げをしてしまえばいいわけです。勝手に値下げしてしまえば、数量が捌けるので、結果として売上高が上昇することがあります。これを防ぐためには、売上だけでなく、原価を含めた粗利、粗利から直接費を引いた貢献利益もしっかり管理する必要があります。
  • 権限移譲とPDCA高速化

    部門別採算制は利益責任を明確にし、費用も予算化することですので、費用に対する部門長の裁量も大きくなります。利益責任が管理されていることは権限移譲の条件の一つです。
    今更ですが、何故、権限移譲が必要なのかというとPDCAを高速化し、外部環境の変化に素早く対応するためです。現場が分かっている管理職(マネージャ)が顧客の変化に迅速に対応した方が戦略的に有利だからです。
  • 経営幹部の意欲向上

    社員の意欲(モチベーション)・エンゲージメント(愛社精神)を高める数少ない方法の一つが当該社員の裁量を増やすことです。利益予算を達成できる範囲内で、費用は部門長・事業部長の裁量で支出できる社内制度を構築するための一つの条件が管理会計(部門別採算制/部門別損益計算)です。
  • 売上を持たない部門への意識づけ

    売上ノルマ制は売上高に注目して管理する方法ですが、販路を持たない部門・SBUもあります。例えば、営業部・製造部・総務部という構成では、製造部と総務部には売上がなく、売上ノルマ制であれば管理が手薄になりがちです。部門別採算制/部門別損益計算は、受注だけでなく、納品や全社単位の業務についても管理し、採算管理の意識を浸透させます。
  • マネジメント層の成長

    損益(利益)を業務として把握することで、次世代を担う経営幹部人材を育成します。社長と同じ情報を見ずして、経営幹部の成長はありません。部門別採算制/部門別損益計算は経営者・経営幹部間での損益(利益)に関する情報共有を可能にします。

管理会計(部門別採算制)のデメリット

デメリットというわけではないですが、以下の点が課題・留意点になる場合が多いようです。

  • 計算コスト

    管理会計(部門別採算制/部門別損益計算)は部門別/SBU別の損益を計算するため、手動計算する場合にはそれなりの負荷が掛かります。特に、階層が複数になった場合(部門の中に下位部門がある場合)と実時間性を高めたい場合(例えば毎週最新版を更新)には、Excelでは中々大変です。逆に、月に一回幹部会で検討する際の資料として全社に繋がる部門が5つ程度であれば、Excelでも計算できます。
    基幹システムと連動して開発するとなると、それなりの開発費も必要となります。
    管理会計のシステム化を前提とした導入については以下の記事をご参考ください。
  • 学習コスト

    管理会計(部門別採算制/部門別損益計算)の直接のコストではありませんが、各部門・SBUの損益を管理職と共有するためには、管理職が内容を理解する必要があります。管理職が内容を理解して行動を起こすためにはそれなりの学習が必要です。

いかがだったでしょうか? お役に立つ内容だったでしょうか? 当社では、各事業、各部署等、マネージャがユニットの計画を策定し、計画と実績の差異を表示することで、マネージャのエンゲージメントを高め、計画の精度を向上させる仕組みに取り組んでいます。ご相談があればご連絡ください。

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